17.蒲原宿〜由比宿へ(街道地図)
静岡県庵原郡蒲原町→一里塚→東木戸→夜之雪・本陣→蒲原駅(5km:2時間)

■ 蒲原宿について ■(1999年8月27日)晴
少年の頃、切手収集をしていたが、この蒲原の浮世絵は国際文通週間シリーズの中で 一番大切にしていた思い出がある。 足を引きづってでも来たかったのだ。そして俺は江戸から歩いてやってきた。 蒲原宿は江戸初期に一度、大津波により壊滅している。今の宿場はその後再建 されたものだが現在の東海道では数少ない当時の面影が残る宿場町だ。 そして広重が描く東海道シリーズの名作「蒲原・夜之雪」でも有名になっている。

■ 一里塚から東木戸 ■約500m
新坂を下りきって右折する。しばらく歩くと左手民家の中に、江戸から38番めの一里塚(写真左)。 その斜め向かいに小道があった(写真中)道を少し登った森の中に1569年まで蒲原城主だった北条新三郎綱重の墓がある。 街道右手には奇麗に整備された東木戸の一角(写真右)があり、ここで庵原イラストマップ(岩淵宿・蒲原宿・由比宿)を手に入れた。

■ 街道の家 ■約500m
目の前に大きなプラントが現れた。 (日本軽金属蒲原工場で消費 する膨大な電力を自家発電する ために富士川から水を引き水力 発電用の「鉄管路」として建設された。直径4Mが4本) この先は何事も無かったように古い家並みがつづく。 写真の家(写真中)の地面は道路よりも30cm位下がっているが、これは昔の東海道の高さのままだ。 ・・もう少し涼しく舗装路じゃなかったら宿場歩きは最高の気分だろうな・・

■ なまこ壁・本陣 ■約500m
この先、格子戸、なまこ壁の古い家並みがつづく。なまこ壁は伊豆半島で良く見かける。 この地方のしっくい塗りの技術は私が住んでいる品川宿・善福寺にも「伊豆の長八」作の漆喰鏝絵として残っている。 宿場内中央の小さな掘を越した左手に一際目立つ黒い塀がある。蒲原宿本陣(写真右)だ。 この邸内には、昔、大名の駕籠を下ろしたという、畳より大きい平石があり、 お駕籠石と呼ばれている。 さっきの小さな掘に戻り海岸方面に行く。

■ 広重「蒲原・夜之雪」 ■約1km
掘沿いに歩くと小さなスペースに『蒲原・夜之雪』の記念碑があった。 この絵は広重の想像上の風景ではないかと言われています。 理由は広重が蒲原を通ったのは真夏であり、 冬でも温暖な蒲原に雪が降るのは珍しく、また蒲原にはあの構図らしき 場所が無いことによります。 しかしこの絵は旅心を掻き立てる素晴らしい名作で、 旅人の心の中に何時までも活きている場所です。

■ 西木戸から ■約2km
旧道に戻り西へ歩いて右手に蒲原郵便局を見る。ここは HPにリンクして頂いている郵便局です。 親しみを感じ通過した。西木戸を過ぎ暑い国道を歩く。 時間はタップリあるが、すでに足マメは500円玉になっていた。 やっぱり今日は由比駅まで行けそうに無い。 左に走る線路道(写真右)に行き、駅を確認しながらゆっくり歩いた。 13:30分蒲原駅に到着。 しかし、東海道線(普通)は混んでいて熱海まで立ちっ放しだった。
・・・午後15時00分:旅人は熱海から踊り子を独占し裸足でコーヒーを飲んでいた。 (行程2時間(計6時間) ・1999.8/27(金):万歩計=30171)

旅人:浮浪雲
16.吉原宿〜蒲原宿 18.由比宿〜興津宿